財産

 中央大学文学部4年、昨日10/22で22歳になりました、主将の#18徳光陸です。

 私がブログの内容を迷っている間に、前回伏見岳土くんがブログを更新してからかなり期間が空いてしまい、久しぶりのブログ更新になるので、その分張り切って書いていきます。
 実は昨年のブログで「自由に書ける最後のブログなので」と記していましたが、今年はブログを1人2回ずつに増やしちゃいました。笑
 なので、もう1度だけフリーテーマで書けることになりました。これを機に選手たちの日常や性格などをより一層理解していただければと思います。


 さて本題に入りますが、今年は例年に比べてホッケーができる時間が少なくなってしまった分、必然的にそれ以外の時間が大幅に増え、家族といる時間やゴルフをする時間、勉強をする時間などなどホッケー以外のありとあらゆる時間が増えました。

 その期間の中でも特に教育実習に費やした時間は私にとって大きな財産となりました。ではその中の何が一番大きな財産になったのかというと、、

教えること、つまり教育とはどういうことかを考え続けた時間です。

 これを見て、何を言っているんだと思った方もいるかもしれません。実習前の私も同じような感覚を抱いていました。教えることなんて、伝えることと何が違うんだろうと。

 学習における問いには答えが存在していて、それの答えやそこまでの導き方を伝えることが教師の役目であると考えていました。
しかし、教えることと伝えることは全く違いました。
確かに授業で扱う問いには大抵答えが存在していましたが、授業の中のごく一部、更にはそれ以外の時間の活動にはまるで答えなんか存在していませんでした。
私は教師として出せる価値は、そうした答えのない活動の中にこそあると感じ、そこに向けて熟考を重ねる日々が続きました。
そして、2つの新しい取り組みを入れてみました。

 1つ目は生徒に向けて自身をさらけ出すことです。当初この為だけに授業の時間や空いた時間を費やすことに消極的でしたが、生徒との距離を縮めることで教師の言葉を聞き入れようとする気持ちを高めることができると考えました。例えば2人の先生が同じ発言をしたとしても心を許せる人の言葉の方が受け取られやすいというような考え方です。
 2つ目は授業内で明確な答えのない質問や話題を多く取り入れることです。当初生徒たちは口を揃えて「これはテストに出ますか?」と私に聞いてきました。テストに対する恐れが学習に対する大きな壁になっていると確信しました。私はその捉え方を変える為にも答えはなくても、考えを書かせて発表させることに重点を置きました。教師の中には「ここはテストに出すから覚えて、ここはテストに出さないから覚えなくていい・考えなくていい」と言う方もいます。学生時代の私はその度にこの先生は優しくて良い先生だと感じていましたが、今考えてみると、学習をする中で覚えなくていいものや考えなくていいことは1つもないはずなのに、その言葉1つが生徒の学習意欲を失わせることに繋がっていました。
 教育は面白いことに、場合によっては教師がほとんど言葉を発さずに答えを言わずに授業をすることも可能で、そのような授業や活動こそ生徒の主体的な学習であり、求められる教育であると言えるのかもしれません。言葉だけが教える為のツールではなく、またその言葉が教育を妨げる可能性もあり、改めて言葉について考える機会になりました。
 そして、生徒との信頼や学習への取り組ませ方の変更によっていくらでも生徒たちに勉強を好きにさせることができ、私から出せる知識や経験は少なかったとしても、生徒からその分を引き出せれば教育は成立する。教育は両者がいてこそのものであると実感しました。

 また、ただ単に知識の量を増やしてあげることは教育ではなく、学校で触れる全ての物事を通して生徒に考えさせて、意見させて、行動させることが教師として導くべき教育の姿であるという結論になりました。

 冒頭の教育とは何かというものに対し、明確な答えは出せていませんが、一つ言えるとすればお互いの信頼は必要不可欠であるということです。


 今現在私はチームの主将で選手を率いる立場ですし、これから先の人生においても誰かを率いることがあると思いますが、その中で教えるというプロセスが出てきた時には日頃から築き上げた信頼関係を活かしながら、実習期間に学んだことを踏まえて直接的な言葉だけで伝えるのではなく、工夫を施して教えられるように意識していきたいと思います。
今年は自分の一番大好きなホッケーの時間が削られてしまったことで悔しさも悲しさもありましたが、教育実習を通してこのような時期だからこそ気づけることや学べることは無限にあるとポジティブに捉えられるキッカケとなりました。


 次回のブログ担当は、中央の番人#20小川翔太です。
彼の何事にも一切手を抜かず全力で駆け抜ける姿勢は、私を含め選手全員に良い刺激を与えてくれています。
特にウエイトトレーニングでは私と競り合いを演じていますので、小川翔太のブログ及び小川対徳光のウエイト対決に今後ともご注目ください。

 話は変わりますが、私たちは先週の試合を無事勝利することができ、今週の大東文化大戦に向けて日々練習に励んでいます。
この状況だからこそ、みんなで練習や試合ができる喜びを噛み締め目の前のワンプレーに全力を尽くします。
引き続き応援よろしくお願いします。